アルファポリスによる添削指導(5話後半)

≪評価≫ 総合:17 点(25 点中)

画力:4

線の太さにメリハリをつけていきましょう。

⇒前回申請時に引き続き、さまざまな構図でキャラクターの止め絵や背景を違和感なく描けており、安定した画面を作り上げられています。ただ、作品全体を通して線の太さにメリハリがついておらず、キャラクターが背景に埋もれて見えます。画面内でキャラクターの姿を浮き上がらせるために、人物線は背景よりも太くする、手前の人物は奥に
いる人物よりも輪郭を太くするなど、線の太さに差をつけていきましょう。奥行きや立体感が生まれ、より見やすい画面を構成することができます。また、依然としてキャラクターの動きが固く見える部分があります。アクション映画、漫画などを参考に、どのように体が動くのかを把握し、より自然な動きを表現できるようレベルアップしていきましょう。

キャラクター力:3

キャラクターの行動原理を明確に表しましょう。

⇒今回のエピソード冒頭で、謎に包まれていたゼノンの行動原理についての説明がなされています。しかし、ただセリフで一言語られるだけに留まっており、読者への伝達が不十分なため、彼の行動に納得感を抱きにくくなっています。キャラクターの行動原理や背景を提示する際は、あっさりと流さず、しっかりと間やコマ、ページをとって印象的に見せていくことを心がけましょう。さらに、今回もキャラクターの感情表現が乏しく、5 年ぶりに目覚めたレベッカを見たゼノンの反応がやや淡泊に感じられます。前回の評価と同様になりますが、キャラクターの感情が大きく動くシーンでは、眉の動きや目、口の開き具合、手のひらを強く握りしめるなどの感情表現を今よりもオーバーに表しましょう。キャラクターの心情がはっきりと伝わることで、読者が感情移入しやすくなります。

ストーリー力:3

読み手の興味を煽り続けるための工夫がなされています。

⇒前回、無事にユウがゼノンと再会を果たしましたが、今回は新たに「レベッカを倒してニックを救う」という目的の再設定と、ゼノンと対立してしまうという展開を用意することで、読者の物語への期待感を途切れさせることなくストーリーを動かせています。それに加え、新たな謎を匂わせたり、ラストに次回へのヒキをしっかりと設けるなど、読者を飽きさせない工夫ができている点は素晴らしいです。ただ、新たに示された目的や謎などが、実際に物語の魅力を高めていくかどうかは現時点では未知数です。今後の展開に期待を込めつつ、評価を「3」に留めます。

構成力:4

会話シーンが単調に見えないよう、画面に変化をつけていきましょう。

⇒回想シーンではアオリ、フカンの構図や視点の変化をうまく活用し、緊迫感を演出できています。一方で、それ以外の会話シーンでは手や足のアップを挟むことで画面にある程度の変化をつけられてはいるものの、まだまだ正面向きのバスト~ウエストアップのコマや、同じ高さの視点、方向から画面を捉えたコマが多く、平板な印象を受けます。動きの少ない会話シーンだからこそ、カメラワークや寄り引き、構図に工夫を持たせ、画面に変化をつけていきましょう。

斬新力:3

物語上の謎だけでなく、世界観についても作中で表現していきましょう。

⇒感染騒動の元凶がレベッカであったことが判明したり、ゼノンが交わした約束という新たな謎が生まれるなど、ユニークな設定によるミステリー要素が強くなることで、相乗的に本作のオリジナリティも高まっています。ここからは前回の繰り返しになってしまいますが、さらに本作の独自性を強調するため、物語上に未だ多く存在する謎だけ
でなく、火星で働く人々の仕事ぶりや、作中の科学技術がどれほど発展しているのか、といった世界観を掘り下げることも意識していきましょう。

≪アドバイス欄≫

4回目のご投稿をいただき、ありがとうございます! レベッカの目覚めがすべての元凶であったことが明らかになり、今後の展開が非常に楽しみです。さらに作品のクオリティアップを図るため、今後は線の太さにメリハリをつけること、キャラクターの行動原理の明示や感情表現の強化、世界観のさらなる掘り下げなどを意識していきましょう。また、継続して次回へのヒキを各話で作ることを心がけ、読者の興味を刺激し続けていきましょう。

次回のご投稿を楽しみにしております!