≪評価≫ 総合：17 点（25 点中）
画力：４
アクションシーンの躍動感をさらに高めていきましょう。
⇒悪いクセのない絵柄に加え、キャラクターの止め絵や背景が違和感なく丁寧に描かれていて秀逸です。また、アクションシーンでは前回までの評価をもとに、効果線や身体のブレ線を使い、戦闘描写に勢いを生み出せています。
しかし、まだキャラクターの動きが固く、止まって見える箇所があります。今以上にキャラクターの身体にパースをつけたり、デフォルメを効かせることを意識し、より迫力のあるアクションシーンを構成していきましょう。
キャラクター力：３
キャラクターの感情を強調し、物語を盛り上げましょう。
⇒キャラクターに役割や性格を設定できており、各々の人物像を読者に示せています。
ですが、キャラクターの感情表現が乏しく、今回ユウが感染したニックを発見した場面でも、それほど動揺していないように見え、シーンの盛り上がりに欠けてしまっています。キャラクターの感情が動く大切なシーンをしっかり見せるためにも、現状より目を大きく見開かせる、口をより大きく開けるなど、大げさに演技させることで、喜怒哀楽の表現をより強くすることができます。
ストーリー力：３
物語の縦軸を再設定しましょう。
⇒複雑に謎を配置しながらも、「ユウがゼノンを捜す」という縦軸がしっかりと確立されているため、読者が物語の流れを追いやすくなっています。
しかし、ユウとゼノンが再会したことで、これまで掲げていた目的は達成され、物語が落ち着いてしまいます。起承転結で物語を止めてしまうのでなく、起承転結→「起」と物語の最後に新たな事件を匂わしていきましょう。そうすることで次の展開へのヒキができ、読者が興味を抱き続けることができます。
構成力：４
セリフ量が抑えられ、読みやすさが向上しています。
⇒前回の投稿時と比べて説明シーンのセリフ量が抑えられており、画面の圧迫感を解消できています。引き続き、セリフ量に注意しながら構成していきましょう。また、構図の面では、画面を平面で捉えるのではなく、俯瞰などを使いメリハリをつけようとしていることがうかがえます。
一方で、キャラクターがバスト～ウエストアップで描かれているページが多く、単調に見える部分もあります。今後は、さらにカメラの位置や構図にバリエーションを持たせ、動きのある画面を構成できるよう心掛けましょう。
斬新力：３
本作独自の読み応えが作り上げられています。
⇒マーシアンワームや、５年前に失踪した女性の謎といった作品独自の設定が、物語の要として作中で上手く機能しています。それにより、登場人物たちが火星で未知の生命体に寄生されていく姿と、いくつもの謎が深まっていく様子が効果的に演出され、「SF×ミステリー」という一風変わった作品として個性を発揮しています。
一方で、MDF という組織の目的や、地球はどうなっているのかなど、世界観の掘り下げが充分にされていないため、読者が作品世界について充分に把握できていません。設定だけでなく、世界観についても作中で表現していくことで、本作のオリジナリティをさらに高めていきましょう。
≪アドバイス欄≫
３回目のご投稿をいただき、ありがとうございます！ 新たに明かされた事実や、ますます深まっていく謎など、ワクワクしながら物語を読み進めることができました。より多くの読者を獲得するために、キャラクターの感情表現を強調し、彼らの感情をわかりやすく読者に伝えていきましょう。また、物語の縦軸を再設定し、読者の興味を引き続けることも重要です。
次回のご投稿を楽しみにしております！