アルファポリスによる添削指導(4話後半)

≪評価≫ 総合:16 点(25 点中)

画力:4

アクションパート以外でのキャラクターや背景は、違和感なく描かれています。

⇒キャラクターの止め絵は高いレベルで描けており、臨場感が伝わってきます。また、前回の評価をもとに、アクションシーンでは効果線を使い、動作を大きくするなど、躍動感を高めようと意識していることが伝わってきました。
ただ、キャラクターの動きを正確に描こうとするあまり、動作が固く、止まっているように見えるシーンがあります。アクションシーンでは大げさにパースをつけたり、デフォルメを効かせたりすることで、より派手で勢いのあるシーンが構成できるようになります。
また、ユウが武器として使う斧がのっぺりとして軽く見えてしまっています。ベタやトーン処理を効果的に使い、質感を表現していきましょう。

キャラクター力:3

キャラクターの感情表現がやや乏しく感じます。

⇒主人公であり行動力のあるユウや、彼の相棒で冷静に物事を分析できるニックなど、各キャラクターの役割や個性がしっかりと表現できています。
しかし、ユウの感情表現が弱く淡泊に感じられるため、物語の盛り上がりに欠け、読者が物足りなさを感じてしまいます。ですので、読者がキャラクターに感情移入しながら物語を読み進められるよう、キャラクターの感情をもう一段階大げさに表しましょう。例えば眉毛の上げ下げや、瞳の大きさといった顔パーツの描写を強調して描くことで、キャラクターが抱く感情をより強く表現することができます。それにより、キャラクターの感情が読者に伝わりやすくなり、作品への没入感が高まります。

ストーリー力:3

キャラの目的に沿って、ブレずにストーリーを描けています。

⇒細かく伏線がちりばめられた、重厚な物語を構築できています。また、説明パートとアクションパートをしっかりと分けることで、物語にメリハリが生まれ、読者を飽きさせない工夫がなされています。
一方で、世界観の説明が不足しているため、状況がわからないままストーリーが進行してしまっています。ご自身の中にある世界観を独り占めせずに、作品内で提示して読者と共有することを意識しましょう。そうすることで、読者がさらにストーリーに集中できるようになります。

構成力:3

コマ割りだけでなく、構図にも緩急をつけていきましょう。

⇒コマが大きく割られており、読みやすい作品だと感じました。ですが、説明が必要となるシーンではセリフ量がとても多くなり、画面が窮屈になってしまっています。
また、アクションパート以外では、基本的にキャラクターがバストアップからウエストアップで描かれているため、単調な印象を受けてしまいます。同じシーンでも、寄り引きやアングルの変化を取り入れて構図にバリエーションを持たせることで、読者が退屈しない画面作りを目指しましょう。

斬新力:3

敵の設定や、作中の謎めいた描写は魅力的です。

⇒マーシアンワームという未知の存在の設定や、5年前に失踪した女性やゼノンの正体についての伏線描写により、読者の興味を強く引き付けられています。
その一方で、スリルやミステリー、アクションといった、作品の肝となる要素が分散しているため、見どころが分かりにくくなってしまっています。まず作中で一番のポイントとなる要素を定め、そこが際立つように物語を運んでいきましょう。そうすることで、見せたいポイントが一点に絞られ、個性を発揮できるようになります。

≪アドバイス欄≫

2回目のご投稿をいただき、ありがとうございます! 新たに登場した謎のキャラクターや、ニックの心肺停止という衝撃的なヒキなど、とても楽しく拝読させていただきました。さらに作品のクオリティを上げるために、キャラクターの感情表現を強くしていくとともに、読者に一番楽しんでもらいたい、作品の見どころとなる部分の確立や、アクションシーンの強化を狙っていきましょう。

次回の投稿を楽しみにしております!