アルファポリスによる添削指導(6話前半 + WIG)

≪評価≫ 総合:18 点(25 点中)

今後、動きや緊迫感のあるシーンを描くときに思い出そうね!!!!

作画について

  • コマ間の繋がりが悪い

  →人物の位置関係が飛躍しすぎ

  • 効果音(描き文字)の書体が合っていない

  • 人物の動きが硬い

  →体勢を崩している・力が入っている など

ストーリーの構成と描写について

  • 組織の説明

  →ISRAとMDFは何をする組織でどういう関係なのか?

  • 登場人物のバックグラウンドと人間関係

  →ユウの普段の仕事は?ゼノンと親しくなったきっかけや理由は?

●画力:4

人物・物・背景を一通り描けています。

⇒過去 5 回の評価を受けて、効果線を入れるなどアクションに迫力をだそうとする意識が見受けられますが、まだ人物の動きがかたいコマが散見されます。

例えば「ハロー、グッバイ(後編)」の 10 ページ目でレナが体勢を崩していなかったり、ブレ線が描きこまれていなかったりするので、ヴォルフがレナを助けようと突き飛ばした様子に躍動感が不足しています。

また 11 ページ・3コマ目のゼノンの手に力が入っているように見えず、効果音の書体も柔らかく見えるため、ゼノンが危険なレベッカを止める姿に緊迫感が伴っていません。

ブレ線などを駆使して躍動感を表現するとともに、人体の動きや体の重心をさらに意識しましょう。

●キャラクター力:3

キャラクターの情報が不足しています。
⇒「ハロー、グッバイ(後編)」以降、キャラの感情が伝わるよう、細やかに表情を描こうとする意識が見受けられます。

一方で、主人公・ユウの人間関係を十分に描写できていないのが惜しいです。例えば、ユウにとってゼノンが「大事な友人」と提示されていますが、二人がどのようなきっかけで、なぜ親しくなったのか等の説得力のある描写が欠けています。そのためゼノンが敵に回った時のユウのショックが伝わりづらくなり、読者がユウに共感しにくくなっています。

主人公は読者に最も感情移入される立場です。ユウがゼノンをどれだけ大切に思っているかをわかりやすく示し、読者を引きこみましょう。

●ストーリー力:4

ヒキを作りつつ物語の目的に向かってストーリーを動かすことができています。

⇒ヴォルフの素性を明かすだけでなく「アズールエア 047 便撃墜事件」を持ち出すことで、新たな謎を提示し次の展開へのヒキを作れています。

ただゼノンがウィンターと約束を結ぶ場面は番外編ではなく、なるべく本編で描きましょう。
友人であるユウを殺すとまで言ったゼノンの覚悟を裏付けており、本編においても重要な伏線になりえるからです。

●構成力:4
コマ割り、構図にメリハリをつけて構成できています。

⇒コマの大きさや形状にメリハリをつけることができている一方で、コマとコマの間の動きを意識できていないのが勿体ないです。

例えば「ハロー、グッバイ(後編)」6 ページ・2 コマ目と 3 コマ目で、そこまで時間が経過していないにもかかわらずレナの位置や行動が大きく変化しているため、一連の動きが紙芝居のように切れて見えます。
しかも同ページ 2コマ目と 4 コマ目でゼノンたちを、ヒキの構図でほぼ動いていないように描写しているので、緊張感が伝わりづらいです。

読者が没入できるよう、特に緊張感のあるシーンでは画面に流動感や躍動感を持たせることを意識して、イラストの内容や構図を考えましょう。

●斬新力:3
この作品独自の設定を読者に説明しましょう。

⇒火星を舞台にし、マーシアンワームなどインパクトのある設定によって独自性のあるストーリーを作り出すことができていますが、世界観や設定について説明不足になりがちです。
火星に参入しているのはMDFとISRAだけなのか、また 2 つの組織はどのような関係があるのか描写されていませんし、そもそもユウは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
このように情報が不足したまま物語を展開してしまっており、読者を置いてきぼりにしてしまっています。

この作品独自の世界観、特に主人公周辺の情報を十分に描写し、読者が理解・納得しながら物語を楽しめるよう心がけましょう。

≪アドバイス欄≫

6回目の申請、ありがとうございます! 散りばめられた伏線が今後どのように回収されていくのかが楽しみな作品です!

躍動感流動感を意識して人体を描写したりコマを構成したりできれば、今以上に物語の完成度が高くなるはずです。また設定を読者と共有することを心がけましょう。

次回のご投稿もお待ちしています。