同じページが印刷された本が4冊もできてたので推し印刷所の布教のために雑レビューするよ!
「雑」と付けたのは、光の当たり方など写真を撮るときの条件が違う部分を私の主観で補っているからです。
あとオンデマンド印刷の3社は紙の種類がバラバラなので注意になります。

おたクラブさん
最初は「おたクラブ」さん。
人気の同人誌印刷所として挙がることが多いので、こちらを基準に雑にレビューしていきます。

写真、製本の関係で開きづらくピンボケ&影が入ってしまいました。こういうとこが「雑」レビューたる所以。
薄い紙を使ったので裏ページが透けてますが、もっと標準的な紙を選べば透け感は気にならなくなると思います。評判どおりベタ部分のテカリが抑えられてて目に優しい。
取り扱い用紙が豊富でグッズ制作も幅広く対応してるので色々作れるなあと思いました。あと値段がめっちゃ安いのもポイントです。初めて料金表見たときびっくりした。
発注は10部から対応です。
あかつき印刷さん(オンデマンド出力)
オンデマンドで漫画を刷るときの推し印刷所の一つ。なので後半で少しプレゼンします。

「美弾紙」というのは一部の印刷屋さんが扱っている同人誌専用に作られた用紙です。
軽さを保ちつつ透け感を抑えているのが特長らしい。
今回は厚い本向けの「美弾紙ライト」を使用しました。他には「ホワイト」「クリーム」「ノベルズ」があります。
コミック紙系の用紙なのでテカリが抑えられ、個人的にはオフセット印刷と遜色ないと感じました。並べて見比べれば違いが分かるけど、単体だとこれ本当にオンデマンドだっけ?と思うくらいにはマットです。
「美弾紙ライト」は薄くて軽い反面、紙粉による斑点がたまに出るというデメリットがあります。なのでこれがキャラの顔絵部分に入ってしまうとやや残念なことになったりもします。しました。
美弾紙は「ホワイト」も使ったことがありますが、こちらは「ライト」のような目立つ紙粉が含まれていないのでページ数が少ない場合はホワイトをお勧めしたいです。でも「ライト」は商業誌に使われている紙に近く雰囲気がプロっぽくなるので捨てがたい。
美弾紙ライトは『リアルインベーダーゲーム』本編にも使用しています。もしお持ちでしたら紙粉の感じはそちらが参考になると思います。
モノクロ印刷の仕上がりは「おたクラブ」さんとよく似ていると思いました。使用している印刷機と同じか同等のものなかもしれません。素人だから知らんけど。
グレスケ印刷の濃さは「おたクラブ」さんと同じ程度に濃い味です(比較対象は私が使っているモニターで原稿の画像を見たときの印象)。
陰影に使っている10%グレーが若干強めに出ますがこれは好みの問題だし、スクリーントーンを使った完全モノクロ2値原稿なら関係なくなります。グレスケ原稿しか作ったことないから知らんけど。
また、あかつき印刷さんのフルカラーはオンデマンドコースの場合RGB入稿となり発色がとても綺麗です。
私がお世話になった印刷所の範囲では「おたクラブ」さんと「プリントオン」さんも発色の良さをアピールされてますがクオリティは同じくらいではないかと思います。サンプル数が少ないので主観は大いに入ってますけど。
標準で選べる紙の種類は少なめで、取り扱い一覧にない紙は取り寄せ対応をしてもらえますが当然ながら送料が加算されます。
昨夏に見積もりを依頼したときは取り寄せ送料が2,000~3,000円くらい?本の単価が跳ね上がったのでさすがに断念してセットメニューについている色上質紙にしました。
ラインナップの豊富さなら「おたクラブ」さん、部数の柔軟性なら「あかつき印刷」さん、で棲み分けされてる感じです。
で、あかつきさんはモノクロ・カラーともにクオリティが高い。それだけじゃない。
先日自分用にらくがき本を作ってみてびっくりしたのですが、厚い本を一冊だけ作る場合は早割を使うことでめちゃくちゃ安く仕上げてもらえます。セットの仕様(PP加工+遊び紙+送料無料)を考慮すると、私の知る印刷所の中で一番安かった。
露骨に値段出すのも気が引けますが、204ページが早割20%オフを使って2,752円です(2025年3月現在)。1冊だけでこの値段はヤバいと思う。
はい、あかつきさんのレビューとプレゼンはそんな感じです。なっが。
https://www.akatsuki-insatsu.co.jp/
シメケンプリントさん
薄い本1冊のときの推し印刷所。いつもお世話になっております。

1冊だけの本を作る場合はとにかく安い!
類似の料金体系としては「pixivFACTORY」さんが思いつきますが、入稿の気楽さと印刷のクオリティを考えるとシメケンさんに軍配が上がります。
グレーが気持ち濃い味な「おたクラブ」さんと「あかつき印刷」さんに比べてシメケンさんはわりとさらっとした感じ。
反面トナー感は強めです。ベタ部分のテカリはファミマのコピー機(セブンのよりマットめ)が近いかも。でもファミマコピーより細い線が綺麗に出てるしグレー部分もトーン処理されないので断然見やすいです。ファミマはザカザカになるの…。
カラー印刷はCMYKのみ対応になりますがRGBで入稿した場合は向こうで変換して頂けます。でもシメケンさんの手間になるからちゃんとCMYKした方が良い。
発色は私が試した印刷屋さんの中では暗めで重めな印象。「グラフィック」さんと比較するとシアンが強く出ると感じました。
仕様については選べる用紙の種類は少なめです。逆を言えばシンプルなので同人誌初心者向け。
そして自分用の薄い本を作るときはとにかく安い。
薄い本ならワンコインちょいです(送料別)。
「pixivFACTORY」さんについては以前、今はなき「san24」さんと一緒にこちらで雑レビューしています。この頃の記事は自分用に書いてたから文体が硬い…
でも私としてはシメケンさんをお勧めしたい。
スズトウシャドウさん(オフセット印刷)
最後は本編の印刷でお世話になっているスズトウさん。
一次創作同人でオフセット印刷は原価的にあんまり選択肢にないと思いますが参考程度に。

本文用紙は「あかつき印刷」さんと同じ「美弾紙ライト」。
オフセット印刷はオンデマンド印刷に比べると、グレー部分に細かい網点処理がかかって綺麗です(オンデマンドはもわっとした感じがある)。
細い線も比較的途切れずに綺麗に出力されていますが「オフセット印刷の中でスズトウさんは若干線が太りやすい」という口コミを見たことがあるので、これはオフセット印刷の特性ではなく印刷所のクセなのかもしれません。分からん。けどオフセットは綺麗だなあ。
スズトウさんは能登半島の先っぽにある比較的小さな印刷屋さんです。
能登というと昨年の能登半島地震が記憶に新しいと思いますが、2023年5月にも大きめの地震に見舞われています。
ちょうどその頃に本編冊子の印刷を依頼しようとしていた「san24」さんが同人誌印刷から撤退してしまって印刷所迷子になっていたこともあり、石川県出身民としてスズトウさんに依頼しよ~、となったのがスズトウさんとの出会いです。
はい、自分語り長くなった。
原価の話は露骨になるから極力したくないんですけど、本編冊子初版の印刷に限り私は採算を度外視で発行しています。
発注できる最小部数しか作っていないので、ぶっちゃけ倍の値段で頒布したとしても赤字です。でもスズトウさんの本じゃないと嫌だからこれでいいんだい。
さすがに第2刷からは財布的に苦しいので、スズトウさんの応援チャリティーや共同キャンペーンをされていた「あかつき印刷」さんに依頼する予定です。なのでオフセット印刷の「リアルイン~」は今だけです。
発注は30部から対応です。
以上!
とにかく「1冊だけ厚い本作るときは断然あかつき印刷さん」だけ覚えて頂ければ私は嬉しい。
良き印刷ライフを。