美術解剖でよく出てくる筋肉について、不調を解消して身体を鍛えるという観点からおさらいしようぜ!って話。
本当は全身分やろうと思ったんだけど、別所で色々あって面倒になったため解説はこの記事で終わり。

胸鎖乳突筋

耳たぶの後ろから延びて鎖骨・胸骨を結ぶ。二又になっている部分の内側が胸骨柄(胸郭にあるネクタイの結び目のような部分)、外側が鎖骨の内側と繋がっている。
機能
首の屈曲、回旋。
絵に描くとき
首をひねると浮き出て良く見える部分。
ジェスチャーを描く際は左右対称に描かないようにする。
機能低下による不調
肩こり、頭痛、猫背、スマホ首、自律神経の不調
マッサージとストレッチが有効。
筋力の低下で頬杖をつく要因の一つにもなるので作業の休憩ごとに首を回すストレッチをしよう。
僧帽筋

骨と繋がっている場所は頭蓋骨の底部~第12胸椎、鎖骨の外側1/3部分、肩甲骨の上端。
機能
首・肩・肩甲骨(=腕)の動作。
絵に描くとき
逆さにした短剣、手裏剣のような形で表現される。
キャラクターの個性が良く表れる筋肉。これを大きくしっかり描くかどうかでゴリラかどうかが決まる(他は着衣で大体隠れるので)。
後ろ姿で背骨のS字カーブを描くときは、僧帽筋の下端を目安に変曲点をとると描きやすい。
肩甲骨を背骨に寄せることで収縮するので、このときは厚みや盛り上がる感じを描く。逆に、腕を前に出す動きでは伸長するので薄く描く。
機能低下による不調
肩こり、猫背、巻き肩、スマホ首
上部が過緊張することで肩こりの原因になる。首を横に倒すストレッチが有効。
疲労や筋力の低下で頭部の重さを支えきれず、頬杖をつく要因にもなる。
大胸筋

鎖骨の内側半分と胸骨(ネクタイ)でできるL字部分を起点として板状に広がり、上腕骨上部の前面に停止する。
厳密に言うと違うけど絵を描く分にはこれで充分かと思う。
腕を下ろしたとき、上腕骨に繋がる部分はねじれている。腕を上げると展開する。
機能
主に腕を内側に閉じたり胸を張る動作。呼吸の補助も行う。
絵に描くとき
分かりやすくて描き慣れた筋肉なので今更特に言うことはなし。
腕を上げる・胸を開く動作でボリュームが薄くなる、逆の動作で厚くなる。
機能低下による不調
巻き肩、姿勢やスタイルの悪化など
ジムだとベンチプレスやダンベルで鍛えたりするらしいけど、家でやるなら自重トレーニングのプランクか腕立て伏せ(プッシュアップ)。
プランクや腕立て伏せでは肩の下に手首が来るようにして、腕立て伏せでは脇を締めること。
小胸筋について
大胸筋の下にある、肩甲骨と肋骨を繋ぐ筋肉。僧帽筋と連動した肩甲骨の可動、肋骨を広げることで呼吸の補助を行う。
ゴリラ体型のキャラであれば、発達した小胸筋が大胸筋を押し上げて盛り上がりができる。
小胸筋は猫背や巻き肩の姿勢で緊張して硬くなり、硬くなることで猫背や巻き肩の原因に…とループしていくだけでなく、呼吸も浅くなって自律神経の不調につながるし僧帽筋にも負担がかかる。
作業の合間、休憩時にストレッチやマッサージでほぐそう。
三角筋

鎖骨の外側1/3から肩峰を通って肩甲骨の上部(肩甲棘)を結ぶラインから始まって上腕骨の外側(上腕のちょうど真ん中)に停止する筋肉。
機能
前部(鎖骨部):腕を前方に上げる
中部(肩峰部):腕を横向き(外側)に広げる
後部(肩甲棘部):腕を後ろに上げる
絵に描くとき
肩まわりにかかっているパースを意識すること、鎖骨と肩甲骨が形作るひし形のラインに沿って巻き付けるように描くことがポイント。
アタリを大きくとりすぎてデッサンを崩しがちなので気をつけよう。
機能低下による不調
四十肩または五十肩、肩こり
ほか、投擲系のスポーツにおいてはパフォーマンスが下がる
自重トレーニングではパイクプレスやサイドプッシュアップで鍛えられる。
パイクプレスとヨガのダウンドッグはどう違うねんって思ったけど「正しい」ダウンドッグは全身を使って行う、柔軟性の向上(特に脚)が目的のポーズなところが違うっぽい。パイクプレスは背中の伸びが緩めで上半身側に体重がかかるから肩周りが鍛えられる。
私が今までダウンドッグだと思ってやっていたのはどちらかというとパイクプレス…
肩周りの筋肉の連動

腕を上げると三角筋は背中側に流れて大胸筋に隠れ、ほとんど見えなくなる。
鎖骨も身体の内側に埋まるので見えなくなる。
終わり!
いつかまたやるかもしれんが可能性は低いでしょう。