アルファポリスによる添削指導(リメイク版1話~4話前半まで)

STAGE.04/A

2021/4/9投稿:
PDFファイル紛失時に供えて、添削結果を書き写しておきます

≪評価≫ 総合:17 点(25 点中)

画力:4

人物、物、背景が違和感なくしっかり描かれています。

⇒高い画力をお持ちですが、画面全体を眺めて読み進めていくと、綺麗な静止画が並んでいるという印象を与えてしまっていてもったいないです。日常のコマでもつとめて動作線(ブレ線や動きを表現する線)を加えて、漫画として動きのある絵を意識して取り入れていきましょう。またマーシアンワームとの戦いやユウとレナの初対面といった、動きが激しいシーンにおいて、どこかキャラクターの表情や動きが抑えめになってしまっているところも気になりました。バトルやアクションを描くときには、キャラの表情や動きをもっと派手にしたり、動きに合わせて効果線を取り入れたりして、より躍動感を意識して作画してみてください。

キャラクター力:3

キャラクターの役割・性格・目的がある程度描けています。

⇒各キャラクターの行動や思考、目的を描写することができており、個性が伝わってきました。とはいえ能動的に行動させているにもかかわらず、いまいちユウのキャラがつかみきれません。どこかひょうひょうとしているいつもの性格と、見ず知らずの生存者を助けようとする熱い一面があまりかみ合っていないように見えてしまっているからです。ユウの価値観や心情を、ニックとの会話やモノローグ、回想を使って描写して、ユウの目的や言動に説得力をもたらしましょう。

ストーリー力:4

物語全体の中期的、長期的な目的を描写できています。

⇒物語全体の長期的目標が伝わってきますし、中期的目標もしっかり描写できています。
さらにハラハラするような展開が多いことも相まって、読者を飽きさせない作りになっています。そこでもっとストーリーを盛り上げるために、これからのお話のどこかでユウとゼノンの回想シーンを取り入れるのはいかがでしょうか?主人公であるユウと、その目的であるゼノンの関係性が伝わるようなエピソードを盛り込むことで、ユウの目的に説得力が増しますし、より読者を引きつけることができるでしょう。

構成力:3

コマ割り、構図がメリハリをつけて構成できています。

⇒コマの大きさにメリハリがついており、構図も寄り引き、アオリやフカンを取り入れることもできています。しかしながら第2話の後編の 5~15 ページ目においては、引きの構図のコマがそこまで大きくないため、キャラクターがどのように動いているのかがわかりづらくなってしまっています。バトルシーンは何が起こっているかが一目でわかりにくいと、状況はもちろん躍動感も伝わりづらくなってしまいます。バトルやアクションにおいては、もっと大きくコマを使ったり断ち切りを使ったりすることでキャラクターの全身がわかるような構図を描き、動きをのびのびと描写しましょう。

斬新力:3

オリジナリティのある内容が描けており、インパクトもある程度備わっています。

⇒人に寄生して磁場を操るマーシアンワームや、マルチーズといったこの作品独自のご術を利用してストーリーを進めることができており、オリジナリティが伝わってきました。またイリーナが突然暴れ出すシーンや、ユウの腕がふっ飛ばされるシーンにはインパクトがありました。ただ、登場人物、特にユウが普段どのような仕事をしているのかが気になります。第2話後編の 14 ページのモノローグや 21 ページのニックのセリフからだと、ユウがこれまでも死線をくぐりぬけてきたかのような印象を受けましたが、ニックも同じなのでしょうか。生きるか死ぬかのサバイバル状態において、キャラクターが殺しや戦闘に慣れているのか、それとも慣れていないのかによって、読者の楽しみ方も変わってきます。
そのためISRAの業務内容を読者に伝えることも意識してみてください。

≪アドバイス欄≫

完成度の高い作品です。もっとクオリティを上げるために行動を表現する線や躍動感を意識して構成・作画しましょう。主人公の思想やこれまでの経験を描写して、その目的や言動に説得力と深みを与えることも大切です。
このたびはご投稿いただき、ありがとうございます。次回の投稿もお待ちしております。